卸・商社の見積下書きをAIに|過去実績の使い方

卸・商社の見積下書きをAIに|過去実績の使い方 AI活用の記事
結論

見積の下書きはAIに作らせ、金額は人が入れる

過去の受注見積書をAIに参照させれば、初回見積の下書き(書式・品目の並び・文言)はその場で出せます。金額と単価だけは「要確認」の空欄にして、人が最後に入れる形にします。

  • 今日から試すなら … 過去の見積書をAIに添付して書式を真似させる
  • 毎日何件も来るなら … 過去見積を検索して引かせる仕組み(RAG)を組む
  • 仕入先見積の転記が重いなら … 読み取りと転記をつなぐ形を検討する
費用感
会社が承認した法人向けのChatGPTなどに過去見積を添付する形なら追加の開発は不要。読み取りや基幹システムとつなぐ段階で費用が発生する
最初の一歩
今週届いた見積依頼1件で、受注できた過去見積を添付し「同じ書式で、単価は要確認の空欄にして」と指示する

※ この記事が扱うのは、卸・商社が仕入先の見積書を得意先の書式へ書き写して出す見積です。図面や仕様から金額を積み上げる製造業の見積は製造業の見積書作成|AIに任せる工程と任せない工程で扱っています。案件情報を1か所にまとめて転記の手間を減らす仕組みはNotionで見積書を自動化|転記ミスを防ぐ手順です。

卸・商社の見積で重いのは、仕入先の見積書を書き写す工程

見積が遅いと聞くと、値段を決めるのに悩んでいるように思えます。ところが工程を分けて時間を測ると、多くの時間は値決めの前後に消えています。過去の見積を探し、書式を整え、履歴に残す作業です。

当方が支援しているクライアントから共有された数字では、見積書1件あたり22分が6分になりました。減ったのは探す・整える・記録する工程です。内訳はNotionで見積書を自動化|転記ミスを防ぐ手順に載せています。

卸・商社には、これに加えてもう1つの工程があります。仕入先から届いた見積書を、得意先が指定する書式へ書き写す作業です。

電設・電材業界の代理店では、この転記が負担になっていました。AI-OCR(紙や画像の文字を読み取る仕組み)と生成AIを組み合わせた見積書処理の仕組みで自動化した事例が公開されています(AVILEN調べ)。

この工程は、判断がほとんど入らないのに時間がかかる点が特徴です。読み取って書き写すだけなので、値決めの腕とは関係なく件数がそのまま時間になります。

過去案件を探せるようにする動きもあります。見積書の読み取りと転記を自動化するAIプロダクト「ミャク楽」が2026年3月9日に提供開始されました(PR TIMES掲載のリリース)。

過去の全案件を検索できる機能を備えています。過去の見積が個人のフォルダに散っている現場では、探せる状態にすることが最初の効果になります。

自社の打ち手は、次の3つを数えると決まります。

  1. 転記の件数を数える … 月に何件、仕入先見積を得意先書式へ書き写しているか
  2. 書式の種類を数える … 得意先ごとの指定書式がいくつあるか
  3. 読み取り元を確認する … 届くのはPDFか、紙のFAXか、Excelか

件数が少なく書式も1〜2種類なら、AIに添付して転記させる形で足ります。件数が多く紙のFAXが混ざるなら、読み取りから転記までをつなぐ仕組みの検討に入ります。

見積が遅い原因を値決めの悩みと決めつけない。月あたりの転記件数と書式の数を数えると、どちらの手を打つかが決まる。

過去の見積書をAIへ渡す前に、3つだけ決める

過去の見積書には、得意先の名前、単価、値引き幅、支払条件が並んでいます。仕入先から社外秘として受け取った価格が入っていることもあります。

渡してよい情報の線引きは機密データをAIに渡すと危ない?|ECの3段階運用にまとめました。見積書に当てはめると、決めることは3つです。

  1. 使うAIを1つ決める … 個人で契約したAIに会社の見積書を貼らない。会社が承認した法人向けのプランを使い、入力した内容がモデルの改善に使われない設定になっているかを確認する
  2. 得意先名と担当者名は仮名にする … 「A商事」「担当A」でも書式は再現できる。実名は下書きができてから自社の管理画面で戻す
  3. 秘密保持の対象は渡さない … 社外秘として受け取った仕入先の単価表、未発表の商品情報は入れない

「学習に使われない」と「どこにも保存されない」は別のことです。保存期間と保管国は、契約しているプランの公式ページで別に確認してください。

書式を真似させるだけなら品目名と数量と体裁で足りるので、単価表を丸ごと渡す必要はありません。

AIに過去実績を参照させるやり方は2つある

過去の見積をAIに使わせる方法は、大きく2通りに分かれます。どちらから入るかで、必要な準備と費用の規模が変わります。

  1. 参考例として添付する
    過去の受注見積書をAIに添付し、「同じ書式で作成してください」と指示する。今日試せる。
  2. 過去見積を検索させて引かせる(RAG)
    ためた見積書からAIが条件の近い事例を探し、下敷きにする。件数が多い現場向け。

ChatGPTは、過去の見積書を読み込ませて似た条件の叩き台を素早く出すのに向いています。参考例としてAIに添付し「同じ書式で作成してください」と指示すると、出力の精度が上がります(37design調べ)。

書式や単価感を毎回そろえたい場合は、GPTs(自社用に設定を保存したChatGPT)として社内専用に組む方法も紹介されています(BoostX調べ)。この1つ目を実際に流した結果は、次の章に書きました。

過去見積を検索させて引く(RAG)

RAG(AIが社内の資料を検索してから答えを作る仕組み)を使えば、過去の見積書から似た事例を探し、それをもとに新しい見積書を作れます。

RAGを用いて過去の見積書から類似度の高い事例を検索し、AIで新たな見積書を自動生成できる。

出典: Algomatic Magazine(https://magazine.algomatic.jp/automation-estimate-creation-with-generative-ai-ocr-and-rag-integration)

同じ考え方は他社のサービス紹介にもあります。実績データをためてAIが条件の近い事例を参照する形です(xross掲載の紹介、Metoree掲載の紹介)。

受注・失注の記録まで学習させて価格帯の判断を自動化する形も示されています(37design調べ)が、本記事では金額・単価は人が入れる運用に統一します。

ここでいう「学習」は、自社のためにためた過去データをAIが参照して精度を上げるという意味です。

入力した内容が提供者のモデルの改善に使われるのとは別の話で、そちらは契約しているプランの設定で切ります。同じ言葉が2つの意味で使われるので、社内で話すときは分けてください。

RAGを組むときは、AIが見にいける場所を見積書の置き場だけに絞り、読み取り専用でつなぎます。

人が1件ずつ貼る形と違い、渡す前に中身を確かめる工程がありません。得意先の管理台帳ごと参照できる状態にすると、下書きに関係のない情報まで引かれます。

この2つ目の形は、過去データの量と整い方に成果が左右されます。件数が多くて追いつかないと分かってから進むほうが、無駄な投資になりません。

実演:架空の引き合い1件をAIに流した

ここまでの形が実際にどう動くのか、当方で試しました。使ったのは会社で契約している法人向けのChatGPTです。

渡したのは、過去の受注見積・仕入先の見積書・引き合いの条件の3点で、会社名も数字もすべて架空です。前の章の3つでいえば、個人も取引先も特定できない情報だけを渡したことになります。

指示は3つです。単価と金額は書かずに「要確認」と入れること、分からない項目は推測で埋めず「不明」と理由を書くこと、最後に「確認してほしい点」を挙げることです。

67秒で返ってきたもの

下書きは67秒で出ました。金額の欄は品目5行と小計・消費税・合計まで、すべて「要確認」になっていました。発行日・有効期限・支払条件は「不明」で、それぞれ理由が1行ずつ添えてありました。

AIが作った見積書の下書き。赤枠の単価と金額の列がすべて「要確認」になっている

赤枠が単価と金額の列です。品目の行だけでなく、小計・消費税・合計まで数字が入っていません。

そして「確認してほしい点」が6件付いていました。何を聞かれたのかを、種類ごとに分けると次のようになります。

AIが挙げた確認事項(1回目・6件) 種類
販売単価と掛率が資料から判断できない 人が決める
見積番号・発行日・有効期限・支払条件が未定 人が決める
運賃の扱い(仕入先は別途6,000円) 教えれば済む
IV電線・CVケーブルの単位(800mを8巻としてよいか) 教えれば済む
アウトレットボックスの単位(60個を3箱としてよいか) 教えれば済む
E19が在庫僅少。希望納期に間に合うか 現物の確認が要る

見どころは2つあります。1つは、単位を勝手に換算しなかったことです。仕入先の見積は「m」と「個」、得意先の書式は「巻」と「箱」でした。AIは表には仕入先の単位のまま書き、換算してよいかを質問へ回しました。

AIが挙げた確認してほしい点。赤枠は単位の換算を人に確認している箇所

赤枠の2行がその質問です。「800mを8巻としてよいか」「60個を3箱としてよいか」と聞いています。

もう1つは、仕入先の見積書の脚注を読んでいたことです。脚注は「E19は在庫僅少のため、9月10日以降は納期変動の可能性があります」の1行でした。

AIはこれを引き合いの希望納期と突き合わせ、確約する前の在庫確認を挙げています。これは当方が仕込んだ質問ではありません。

見落としたのは、空欄ではなく埋まっていた欄

一方で、間違いが1つありました。品名欄のメーカー名が、4行とも仕入先の会社名になっていたのです。過去の受注見積にはメーカーの表記があり、型番も一致していたので、引き当てる材料はありました。

問題は、この行が「確認してほしい点」に挙がっていなかったことです。分からないと申告した項目は空欄か「不明」になっていて、人は必ず目を通します。ところが間違えた欄は、埋まった状態で表の中に収まっていました。

当方も最初は「直す箇所はなし」と判断しました。過去の見積書と1行ずつ突き合わせて、初めて出てきた誤りです。

AIが確認事項を丁寧に挙げるほど、気になる所は全部挙げてくれたと感じます。危ないのは「要確認」と書かれた空欄ではなく、黙って埋まっている欄です。

先に答えを渡すと、質問の中身が入れ替わる

1回目で聞かれた6件のうち3件は、最初から渡しておけば聞かれない情報でした。そこで指示文に4行だけ足して、同じ引き合いをもう一度流しました。

足したのは単位の対応、掛率、配送費を別行で立てること、メーカー名の引き当て方です。添付した2通も引き合いの内容も1回目と同じにしました。

表の中は指示したとおりになりました。数量は8巻・4巻・3箱に換算され、メーカー名も過去見積の表記に直り、1回目は「不明」だった備考欄も「1巻100m」で埋まりました。メーカー名は指示文に書いておけば済む項目だったことになります。

ところが、確認事項は6件から5件にしか減りませんでした。

教えれば済む質問
Before(何も渡さない)

3件
➜
After(先に渡す)

0件
人が決める質問
Before(何も渡さない)

2件
➜
After(先に渡す)

3件
現物の確認が要る質問
Before(何も渡さない)

1件
➜
After(先に渡す)

1件
こちらの入力の誤りの指摘
Before(何も渡さない)

0件
➜
After(先に渡す)

1件
表の中で人が直す箇所
Before(何も渡さない)

3種類
➜
After(先に渡す)

1種類

最終行の内訳はこうです。1回目に人が直すことになったのは、メーカー名が仕入先名になっていた4行、単位がmと個のままだったこと、品名が仕入先の表記だったことの3つ。2回目に残ったのは品名だけです。

減らなかったのではなく、中身が入れ替わっています。1回目の質問は「単位はどちらで書くか」「運賃は別行にするか」という、教えれば済むことでした。

2回目に残ったのは「販売単価の端数をどう処理するか」「配送費にも掛率をかけるか」「過去書式に値引き欄がないが要るか」という、人が決めるしかないことです。

さらに、2回目には1回目に無かった指摘が出ました。希望納期として当方が書いた「9月16日(火)」について、暦の上では水曜だという指摘です。

確かめると16日は水曜で、こちらの書き間違いでした。大きな不明が消えると、細かい食い違いが見えてくるようです。

一方、2回とも直らなかったものもあります。品名の書き方が、2回とも仕入先の表記のままでした。当方では人が得意先の表記に直しています。

しかもこれは、2回とも確認事項に挙がっていません。前の章と同じ型で、黙って埋まる欄は指示しない限り黙ったままでした。

今回の実演では、先に答えを渡すとAIの質問は減らずに質が上がった。教えれば済む質問が消え、人が決めるべき質問だけが残る。同じ傾向が出るかは、複数の案件で確かめる。

※ 所要時間は1回目が67秒、2回目が約6分でしたが、2回目はPDFの作成まで含むため、同じ条件の比較にはなりません。

金額と単価はAIに出させない

下書きは任せても、金額はAIに書かせません。金額・単価をAIに生成させず「未入力」「要確認」に統一し、最終的な数値入力は必ず人が行う形が推奨されています(Uravation調べ)。空欄なら人は必ず埋めることになり、そこで一度は目を通します。

工程をAIと人へどう割るかという考え方は、製造業の見積書作成|AIに任せる工程と任せない工程にまとめました。卸・商社の見積では、任せる先を3つに割ります。

工程 任せる先 理由
書式・品目の並び・文言 AI 過去の見積を真似する作業
合計・小計・消費税の計算 計算式・プログラム 毎回同じ結果になる
単価・値引き・最終金額 人 取引条件と責任が絡む

表の真ん中の行が抜けがちです。合計や税額をAIに計算させる書き方をよく見ますが、数える・足すは計算式やスクリプトの仕事で、同じ入力なら毎回同じ結果が返ります。

その計算式を書く相手としてAIは向いていて、「この列の単価×数量を合計し、消費税10%を別行で出す計算式を書いて」と頼めば済みます。

AIに金額を出させない運用にしても、下書きの品目に漏れや重複が入ることはあります。人の確認をやめる前提で組まないでください。

最初の1週間でやる5ステップ

渡す3点をそろえる

用意するのは、得意先の指定書式で作った過去の受注見積、仕入先から届いた見積書、今回の引き合いの条件の3点です。過去見積は直近1年で受注できたものをPDFかExcelで、まず1件から。失注分は混ぜません。

そろえる前に、前章の3つ(会社が承認した法人向けAIを使う・得意先名と担当者名は仮名にする・秘密保持の対象は渡さない)を確認してください。原本をそのまま添付しないための一手間です。

今週届いた依頼1件で下書きを作らせる

過去見積を添付し、「この書式で、次の条件の見積書の下書きを作ってください。単価と金額は空欄で『要確認』としてください」と指示します。

手で作った場合との差を数える

直しが必要だった箇所の数を記録します。品目の抜け、単位違い、メーカー名の取り違えのように、埋まっている欄ほど突き合わせてください。

毎回書き足した指示を1つの指示文にまとめる

「単位はケースで書く」「送料は別行にする」など、毎回同じ直しをしているならそれを指示文に加えます。ChatGPTならGPTsとして保存して、次回から呼び出します。

得意先ごとの書式を1件ずつ足す

うまく回った得意先の型を1つ確定させてから、次の得意先へ広げます。同時に全社へ広げると、直しの原因が分からなくなります。

この5つを1週間で回すと、下書きが使えるかどうかは判断できます。見るのは直した箇所が毎回同じかどうかです。同じ直しが続くなら指示文に書き足せば済み、案件ごとに違う直しが出るなら、その得意先はまだ手作業のほうが早いという結論になります。

→ くわしくは「中小企業のDX課題は予算と人|小規模企業の越え方」で解説しています。

精度が落ちる条件を先に知っておく

ここまでとは別に、AIが価格そのものを算出する自動見積という形もあります。

その方式は過去の実績データに基づいて価格を出すため、実績が少ない場合や、まったく新しい製品群では精度が下がる可能性があります(オリックス・レンテック調べ)。これは仕組み上の性質で、ツールを変えても消えません。

本記事は価格を出させない形ですが、同じ弱点は残ります。参照できる過去案件がなければ、書式と品目の再現も甘くなるからです。

卸・商社に当てはめると、次のような依頼が弱点になります。

  • 初めて扱うメーカー・初めての品番(似た過去案件がない)
  • 特注品や、仕様が案件ごとに変わる加工品
  • 数量が普段の桁と大きく違う引き合い(単価の考え方が変わる)
  • 新規の得意先(取引条件や書式の前例がない)

打ち手は、その依頼をAIに回さないことではありません。AIに書かせる範囲を書式と品目までに絞ることです。書式合わせは類似案件がなくても効き、単価はもともと人が入れる設計にしてあります。

もう一つの打ち手は、実績を増やす順番を決めることです。件数の多い得意先と定番品からためると、AIが引ける事例が早く増えます。めったに来ない特注案件のデータを集めても、参照される回数が少ないので効きません。

費用は「件数」「書式の数」「読み取り元」で決まる

今回の出典に具体的な料金は載っていないため、金額は示せません。代わりに、費用を左右する要素を挙げます。見積を取るときにこの3つを先に伝えると、話が早く進みます。

  1. 月あたりの見積件数
    10件と500件では必要な仕組みが変わります。
  2. 得意先ごとの指定書式の数
    1種類から始めれば初期費用は小さく収まります。
  3. 読み取り元の形
    紙のFAXや画像だけのPDFが混ざると、文字を読み取る工程が要ります。

いちばん費用を抑えられるのは、会社が承認した法人向けのChatGPTなどに過去見積を添付する形です。

すでに契約している会社なら追加の開発が要らないので、確かめるための出費はほぼ発生しません。まだ契約していないなら、法人向けプランの月額が最初の費用になります。

開発を伴う導入に進む段階では補助金の活用余地もありますが、最初の一歩には必要ありません(制度はデジタル化・AI導入補助金|最大450万円の使い方にまとめています)。

誰が担当し、どこまでを任せるか

添付して試す段階の担当は、見積書を実際に作っている営業事務が向きます。どの直しが毎回同じかを判断できるのが、その人だからです。指示文を情報システム担当だけで組むと、書式の細かい慣習が入らず、現場で使われない下書きになりがちです。

役割は4つに分かれます。

  1. 営業事務 … 下書きを使い、直した箇所を記録する。指示文を育てる
  2. 営業担当 … 単価と値引きを入れて金額を確定する
  3. 情報システム担当または外部の支援先 … RAGや読み取りの連携まで進めるときの構築と保守
  4. 決める人(社長・部門長) … どの得意先から広げるか、どこまで機械に任せるかを決める

この分け方にしておくと、担当が休んでも下書きは同じ形で出ます。

指示文は個人のチャット履歴に置かず、共有できる形で保存する。担当が変わっても同じ下書きが出るようにする。

FAQ

紙のFAXで届く見積依頼も自動化できますか。

A. 文字を読み取る仕組み(AI-OCR)と組み合わせれば自動化の対象になります。電設・電材業界の代理店の事例は本文で紹介しました(AVILEN調べ)。まずは月あたりの転記件数と、届く形(紙・PDF・Excel)を数えるところから始めてください。

専用のシステムを入れないと意味がないですか。

A. 意味はあります。会社が承認した法人向けのChatGPTなどに過去の見積書を添付して指示するだけでも下書きは出ます(37design調べ)。当方の実演もこの形です。件数が多くて追いつかないと分かってから仕組みの導入を検討するほうが、投資の判断がつきやすくなります。

まとめ

  • 見積の下書き(書式・品目の並び・文言)はAIに作らせ、単価と最終金額は人が入れる運用が推奨されている。
  • 当方の実演では、AIは分からない項目を6件申告した一方、メーカー名を黙って書き間違えていた。危ないのは「要確認」の空欄ではなく、埋まっている欄。
  • 受注できた過去見積を添付し「同じ書式で作成してください」と指示するだけで、初回見積の下書きは試せる。渡すのは会社が承認した法人向けのAIで、得意先名は仮名に置き換える。
  • 初めての品番・特注品・新規得意先は、参照できる過去実績がないため精度が落ちる。その場合はAIに任せる範囲を書式と品目までに絞る。
  • 卸・商社では、仕入先見積を得意先の書式へ書き写す転記工程が重い。月あたりの転記件数・書式の数・読み取り元の3つを数えると、仕組みを入れる規模が決まる。

次の一歩今週届いた見積依頼1件で、受注できた過去見積を添付し「同じ書式で、単価は要確認の空欄にして下書きを作ってください」と指示する。直した箇所を数える。

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大平

執筆・監修

大平 — ジッソウLAB代表

中小企業の業務改善・メルカリ物販、中古PC販売の実務経験を活かし、現場目線でAI活用を検証・発信

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