MonoDeskのAI見積・請求を実測|日本では改良待ち

MonoDeskのAI見積・請求を実測|日本では改良待ち AI活用の記事
結論

「AIが見積から請求まで」と紹介されているMonoDeskは、2026年10月時点では日本の見積と請求書をAIに任せるには早く、下書き係として使う段階

MonoDeskには、3月の時点で無かった請求書の機能が10月までに加わるなど、半年あまりで機能が増えています。無料のうちに確かめる価値があるので、架空のWeb制作会社に届いた問い合わせメール1通から、見積書と請求書までを作って試しました。

  • 作ったもの … 言い直しや取り消しを仕込んだ問い合わせから、見積書の下書き(約1分)と請求書までを作った
  • 良かった点 … 問い合わせから何を含め、何を含めないかを判断し、主な6品目は見積書にも請求書にも正しく出た
  • 問題点 … 金額は¥0で出て、頼むと値引きが抜けた。前金50%のひな形の条件や頼んでいない研修が残り、請求書は宛先が空だった
費用感
見積と請求書を使えるプランは2026年末まで0円(その後は月19ドルからの表示・変わる可能性あり)。クレジットカードの登録は要らない
最初の一歩
社名を伏せた過去の問い合わせメール1通と料金表で見積の下書きを作らせ、金額・支払い条件・宛先を自社の見積と突き合わせる

MonoDeskはどんな道具か?|見積・案件・請求書を1つにまとめた作業場

1見積と請求書は2026年末まで0円
2口コミサイトのレビューは0件
3画面は英語だけ

MonoDeskは、デザイナーや映像制作のフリーランスと、小さな制作会社に向けたWebの作業場(ブラウザで使うアプリ)です。問い合わせの管理から見積、案件のタスク、作業時間、請求書までを1つの画面で扱えます。

後ろ盾は、クリエイター向けの素材サービスで知られるEnvatoです。公式サイトには「Made by MonoDesk, backed by Envato」とあります。

2026年10月23日(日本時間)にはEnvato自身がXで、見積づくり・承認の催促・請求書の送付の時間を減らすアプリとして紹介しました。

公式ページと画面の説明では、見積から請求までが次の図の順に進みます。

MonoDeskで見積から請求までが進む順。見積の下書き、承認、案件化、請求書の4段。

AI(Co-worker)が受け持つのは見積と請求書の下書きです。公式にも「Nothing goes to a client without you」(人が送らない限り、顧客には何も届かない)と書かれています。

作った請求書は削除できず、しまう(Archive)ことしかできません。

次の表は、2026年10月24日に見た料金ページの内容です。

プラン 月額の表示 見積・請求書 無料の期間
Free 0ドル 含まれない(顧客は3件まで) ずっと無料
Core 19ドル 含まれる(1人) 2026年末まで
Pro 29ドル 含まれる(2人まで・会議の補助などの機能も) 2026年末まで

ずっと無料のFreeには、見積と請求書が含まれていません。当方が登録したときはプランを選ぶ画面が出ず、見積と請求書をそのまま使えました。料金とプランの上限は、2026年末から2027年初めに変わることがあると書かれています。

利用者の評価は、まだほとんど見当たりません。2026年10月25日時点で、口コミサイトのTrustpilotと新製品の紹介サイトProduct Huntのレビューは0件でした。

第三者の評価を見ると、英語のMakerStackが3月時点で10点中6.6点、日本のAI PICKSが編集部の評価で5点中3.34点です。MakerStackは、初期段階で粗さが見える(clearly early-stage)と評しています。

利用者のレビューがまだ無いので、評判では選べません。自社の見積1件で試して決めます。

→ くわしくは「製造業の見積書作成|AIに任せる工程と残す工程」で解説しています。

日本の取引に合う設定はあるか?|円・消費税・登録番号

円・消費税10%・登録番号は設定できますが、画面は英語だけで、8%と10%を品目ごとに分けられません。次の表は、2026年10月24日に設定画面で見た内容です。

項目 MonoDeskの作り 日本で使うとき
画面の言語・日付 英語だけ。言語や日付の形を選ぶ設定は無い 見積や請求書の中身は日本語で書ける。日付は「Oct 24, 2026」の形
通貨 140以上の通貨から選べる 円を選べる
消費税 国を日本にすると10%の税が入る。8%は一覧に無いが、税率は手で入れられる 8%と10%を品目ごとに分ける欄は無い
登録番号 国を日本にすると欄が出る 請求書の合計の下に載る
会計ソフト 連携は今後の予定(Xero・FreshBooksの名前だけ) freee・マネーフォワードの名前は無い
支払い条件 請求書の支払い方法は振込とPayPalの表示。支払期限は発行から14日後が入る 月末締め・翌月末払いは、期限と備考を手で直す
見積の形 工程ごとに金額を1つ書く提案書の形。数量×単価の欄は無い 数量×単価で組む見積には合わない(請求書には数量×単価の欄がある)

設定の上では、税率が10%だけの取引なら、円・税・登録番号の入った請求書の形はそろいます。ただ、英語の画面に慣れる手間や、支払い条件を手で直す手間は残ります。

8%を混ぜた請求書を実際に作った結果は、「日本の請求書(インボイス制度)として使えるか?」の節にあります。

どう試したか|架空のWeb制作会社に問い合わせメールが1通届いた想定

当方で、大阪のWeb制作会社「テスト制作室」(架空)に、ホームページの作り直しを相談するメールが届いた場面を作りました。料金表とメールを貼り、顧客名と見積名の欄は空のまま、MonoDeskのAIに見積の下書きから作らせています。

メールには、製品の数の言い直し・ページの取り消し・撮影なし・リピートの値引き・日付に直す期限・支払い条件を仕込みました。正しい見積は税込519,750円で、MonoDeskのAIが作った見積を19項目の正解表と1項目ずつ照らしています。

試したのは2026年10月24日で、会社名・人名はすべて架空です。メールの全文・19項目の答え合わせ・MonoDeskのAIとのやり取りは、付録「MonoDeskの見積・請求の検証記録」に載せています。

MonoDeskが作った見積は、どこが正しくどこが抜けたか?

品目は正しく出ましたが、金額と条件は人が直す必要がありました。料金表とメールを貼って頼むと約1分で7ページの見積ができ、顧客名と担当者名もメールから拾っています。

次の表は、最初の下書きと、人が指摘して直したあとの結果です。

確かめたこと 最初の下書き 人が指摘したあと
品目(含むもの・含まないもの) 仕込んだ6項目とも正しい ―
金額 全部¥0 料金表どおりに頼むと値引きが抜け、指摘すると税込519,750円
支払い条件 ひな形の前金50%が残った 納品後に一括・月末締め翌月末払い
打ち合わせの時期 11月下旬(メールは11月の第2週) 11月9日から13日の週
契約条件のページ 仮の英文のまま 日本語にすると、渡していない条項をAIが書いた
言葉 本文も表題も英語 日本語にと頼むと大半が日本語に。「含まないもの」などは英語のまま
自社の紹介のページ 中身の無い白紙のページ 顧客の画面にも白紙のまま出る

次の画面は、最初の下書きの料金のページです。赤枠が、送る前に人が直した所です。

MonoDeskの最初の見積の下書き。金額は全部0円で、項目は工程の並びのまま。

MonoDeskのAIは、指摘すれば1回で直しましたが、抜けに自分から気づくことはありませんでした。値引きが抜けたまま送っていれば、24,750円の取りすぎになるところです。

よかった点もあります。金額を入れたMonoDeskのAIは、品目の下に「1製品あたり20,000円×6製品」のような計算の根拠を書いていました。人が料金表と照らしやすい形です。

ただ、当方の頼み方にも「入れるのは、この見積に書いてある範囲だけです」という一文がありました。MonoDeskのAIはそれを値引きにも当てはめた可能性があります。

見積は英語のひな形を元に作られるので、仮の英文や前金の条件のように、ひな形の文が残ります。次の画面は、最初の下書きにある支払いの予定と契約条件のページです。

MonoDeskの最初の見積の下書き。前金50%が残り、契約条件は仮の英文のまま。

支払いの予定は前金50%、契約条件は前金30%と、同じ見積の中で食い違っていました。「すべて日本語に」と頼んだときもMonoDeskのAIは料金のページを「変更対象はなく」と答えましたが、実物には英語が残っていました。

金額の変更は、MonoDeskが確認を出し、人が承認するまで反映されません。一方で文章の書き換えは確認なしで反映されるので、送る前に全ページを読み直します。

品目の整理はMonoDeskのAIに任せられますが、書き足された作業と金額は人が料金表と照らします。合計の検算は、AIに数えさせるより電卓や表計算のほうが毎回同じ結果になります。

MonoDeskのAIが日本語で書いた契約条件には、修正回数の上限や書面での解除のように、当方が渡していない約束が入りました。自社の取引条件の文に差し替えてから送ります。

承認から請求書までは、何が自動で何を人が直したか?

承認と案件化はボタンで進みましたが、請求書は人が直してから出す形でした。顧客役が署名すると見積は自動で承認済みになり、ボタン1つで日本語のタスク14件ができています。

ただし案件化の画面では、支払いを納品後の一括に直したあとでも、前金50%の請求書と顧客へのお知らせメールに最初からチェックが入っていました。次の画面の赤枠の2か所です。

MonoDeskの案件化の画面。前金の請求書と顧客へのメールに最初からチェックが入っている。

画面の説明では、このまま「Create Project」を押すと、前金の請求書の下書きが作られ、顧客にはメールでリンクが送られます。当方は2つとも外して進めました。

タスクには、料金表がWordPressで作る前提なのに「CMS選定」が入り、頼んでいない「CMS基本操作レクチャー」も加わっています。

続いて、MonoDeskが作ったままの請求書です。赤枠が、人が直した所です。

MonoDeskが案件から作った請求書。宛先が空で、備考に英文が入っている。

次の表は、MonoDeskが作った請求書と、人が直したあとの請求書を比べたものです。

宛先
Before(MonoDeskの提案のまま)

空
➜
After(人が直したあと)

山下 太郎, サンプル精工株式会社
案件に顧客を付けても入らない
支払期限
Before(MonoDeskの提案のまま)

2026年11月7日(発行から14日)
➜
After(人が直したあと)

2026年11月30日
試しに10月24日に発行した場合の月末締め・翌月末払い。実際は納品した月で決まる
備考
Before(MonoDeskの提案のまま)

英文「残りは工程ごとに請求」
➜
After(人が直したあと)

「納品後に一括でのご請求です」
全額を載せた請求書と食い違っていた
税の行
Before(MonoDeskの提案のまま)

CT (10%) ¥47,250
➜
After(人が直したあと)

消費税 (10%) ¥47,250
登録番号の見出しも「消費税 ID」になった

合計の税込519,750円は、MonoDeskが作った段階で正しく入っていました。人が直したのは、金額の外側にある宛先・期限・言葉です。案件の画面にも税抜472,500円が写り、見積の作成から承認・案件化までの履歴が日付つきで残っています。

備考の英文は、全額を載せた請求書に「残りは工程ごとに請求する」と書いたものです。読んだ顧客は、二重に請求されると受け取りかねません。

直した請求書は、PDFに書き出しても日本語が崩れませんでした。署名の画面では日本語の名前の字の上が欠けて見えましたが、PDFの署名は欠けていません。

案件化の画面では、最初から入っている2つのチェック(前金の請求書・顧客へのメール)を、自社の条件に合わせて外します。

日本の請求書(インボイス制度)として使えるか?

10%だけの取引なら形はそろいますが、8%が混ざる取引には使えません。インボイス制度(取引先が消費税の控除を受けるのに必要な請求書の決まり)で、国税庁は請求書に載せる事項を6つ挙げています。

次の表は、その6つの事項を、MonoDeskの請求書で確かめた結果です。

国税庁が挙げる事項 MonoDeskの請求書 判定
相手方の名称 欄はあるが、案件から作ると空のまま 人が入れれば○
売手の名称と登録番号 設定で国を日本にすると欄が出て、合計の下に載る ○
取引年月日 発行日と支払期限の欄だけ(「Oct 24, 2026」の形)。取引した日や期間は備考に書く 人が書けば○
取引内容 品目・数量・単価が載る ○
税率ごとの対価の額と税率・税率ごとの消費税額 10%だけなら載る。8%を足すと全体に重ねてかかる 10%だけなら○

次の画面は、10万円の品目と1,000円の軽減税率の品目を入れ、10%と8%の税を足した試しの請求書です。

10%と8%の税を足した試し。どちらの税も小計の全体にかかった。

MonoDeskは2つの税を小計の全体にかけ、合計は119,180円になりました。正しい111,080円より8,100円多く、品目ごとに税率を分ける作りではありません。

Web制作のように10%だけの取引なら困りませんが、飲食料品を扱う会社には向きません。相手方の名称は、案件から作った請求書では空のまま出るので、送る前に必ず手で入れます。

MonoDeskを無料のうちに試す手順|人が確かめる5か所

試すなら、MonoDeskのAIには品目を拾う下書きと日本語化を任せます。金額の検算は電卓や表計算、送るかどうかの判断は人が受け持ちます。

見積の作り方そのものを見直すなら、「卸・商社の見積下書きをAIに|過去実績の使い方」と「製造業の見積書作成|AIに任せる工程と残す工程」も参考になります。

  1. 社名を伏せた問い合わせ1通と料金表を用意する
    AIの提供元と、入力が学習に使われるかは、MonoDeskの紹介ページとヘルプに書かれていないためです。
  2. 見積の下書きを作らせ、品目を読む
    品目の取り違えは、この段階で見つかります。工程の並びが自社の料金表と合わなければ、AIに「料金表の品目ごとに」と頼みます。
  3. 金額を入れさせ、合計を電卓か表計算で検算する
    AIの合計が合っていても、元の品目や値引きが抜けていることがあります。AIの説明(「範囲外のため含めていません」など)も読み、抜けた理由を確かめます。
  4. 支払いの予定・契約条件・白紙のページを直す
    前金の割合、支払期限、AIが書いた条項を、自社の取引条件に差し替えます。
  5. 案件化のチェックを外し、請求書の宛先・期限・備考を入れる
    前金の請求書と顧客へのメールを外し、宛先と支払期限を入れてからPDFにします。

今後よくなる見込みはあるか?

機能は半年あまりで増え続けていますが、日本向けの対応が加わるかは分かりません。次の表は、公開されている情報から並べたMonoDeskの動きです。

時期 出来事
2026年3月 Product Huntで公開。第三者のレビュー(MakerStack)では請求書の機能が無かった。顧客の承認まわりは、作り手が「今後の機能」と答えていた
2026年6月 Envatoのお知らせのページで紹介
2026年10月 請求書と、顧客が署名する見積がそろった形で、EnvatoがXで紹介
2026年末〜2027年初め 料金とプランの上限が変わることがある(公式の料金ページ)

会計ソフトとの連携も「Xero, FreshBooks and the rest are on the list」と予定に挙がっていて、改良は続いています。ただ、日本語の画面・8%の扱い・日本の会計ソフトについては、当方が見た公式のページ(紹介・料金・ヘルプ)に書かれていません。

3月の公開のとき、作り手はProduct Huntで「まだ初期の段階」(early stages)と答えていました。今回つまずいた8%・英語の画面・宛先は、どれも設定では直せない所なので、改良を待つことになります。

半年あまりで請求書が加わり、3月に「今後の機能」とされていた顧客の承認も署名の形でそろいました。今回つまずいた所も変わる可能性があるので、無料のうちに自社の見積1件で試しておくと、次に試したときにどこが直ったかを比べられます。

FAQ

MonoDeskは無料で使えますか?

見積と請求書を使えるプランは、2026年末まで無料です。ずっと無料のFreeプランには見積と請求書が含まれず、料金は2026年末から2027年初めに変わることがあります。

MonoDeskは日本語で使えますか?

画面は英語だけですが、見積や請求書の中身は日本語で書けます。MonoDeskのAIに日本語で頼むと返事も日本語で、PDFも文字化けせずに出ました。

MonoDeskのAIが勝手に見積や請求書を送ることはありますか?

当方が試した範囲では、MonoDeskのAIが顧客へ送ったものはありませんでした。ただし案件化の画面では、顧客へメールでリンクを送るチェックが最初から入っています(当方は外して進めました)。

インボイス制度の請求書は作れますか?

税率10%だけの取引なら、登録番号と税額の載った請求書を作れます。8%と10%の品目が混ざる請求書では、どちらの税も小計の全体にかかるため正しい額になりません。

MonoDeskはどんな会社に向いていますか?

Web制作やデザインのように、工程ごとに金額を出し、税率が10%だけの会社です。数量×単価で見積る物販・製造の会社や、8%と10%の品目が混ざる請求書を出す会社には、2026年10月時点では合いません。

まとめ

  • 「AIが見積から請求まで」と紹介されているMonoDeskは、2026年10月時点では日本の見積と請求書をAIに任せるには早く、下書き係として使う段階
  • 架空の問い合わせメール1通では、何を含め何を含めないかの6項目が見積書に全部正しく入り、金額は¥0だった。料金表どおりに頼むと値引きが抜け、人が指摘して税込519,750円になった
  • 見積には前金50%・ひな形の契約条件・英語の行が残り、請求書は宛先が空だった。案件化では前金の請求書と顧客へのメールが最初から選ばれている
  • 円・消費税10%・登録番号は請求書に載るが、8%と10%を品目ごとに分けられず、画面は英語だけ
  • 3月の時点で無かった請求書の機能が10月までに加わり、改良は続いている。見積と請求書は2026年末まで無料

次の一歩社名を伏せた過去の問い合わせメール1通と料金表で見積の下書きを作らせ、金額・支払い条件・宛先を自社の見積と突き合わせる

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大平

執筆・監修

大平 — ジッソウLAB代表

中小企業の業務改善・メルカリ物販、中古PC販売の実務経験を活かし、現場目線でAI活用を検証・発信

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