議事録のAI要約はどこまで正確か|無料版3つで実測

議事録のAI要約はどこまで正確か|無料版3つで実測 AI活用の記事
結論

無料のChatGPT・Gemini・Claudeに会議の文字起こしから議事録を作らせると、24の問いで間違った答えになる議事録は無かったが、数字や期限の細部に漏れがあった

架空の会議1回で、ツールごとに1回ずつ作らせた結果です。「AIの要約は間違えない」とまでは言えません。

  • 「間違っていない」の範囲 … 24の問いで聞いた決定・担当・期限・数字について、違う答えになった議事録は無かった
  • 「細部の漏れ」の中身 … 落ちたのは、決定に関係の薄い数字(前回の見積額・ロット番号・不良の本数)と、「再来週の頭」のような相対的な期限を日付にしないまま写したもの
  • 足したもの … 文字起こしに無い言葉を足した議事録もあった(「場所:会議室」、担当を「次回会議で必ず決める」)
費用感
3つとも無料版で試した(追加の費用0円)。社名や人名の入った文字起こしは、無料版での扱いを先に確かめる
最初の一歩
次の会議の文字起こしで、決定・宿題・期限を3つの問いにし、AIが作った議事録を別のAIに読ませて、文字起こしと食い違わないかを見る

無料のAIは会議の決定と宿題をどこまで正しく残すか?

1無料版3つ×2通り
224問で間違い0
3漏れは数字と期限

当方で架空の会議の文字起こしを1本作り、3つの無料版にそれぞれ2通りの頼み方で渡してみました。

  • 一言で頼む … 「議事録を作ってください」とだけ頼む
  • 形を決めて頼む … 「決定したこと・宿題(担当者と期限)・決まらなかったこと(次回に持ち越し)の3つに分けて、期限は年月日で」と頼む

できた6本の議事録のどれも、24の問いで決まったことや担当を取り違えることはありませんでした。漏れたのは「書かれていない」だけで、144件中8件です。

次の表は、議事録だけを読んで24の問いに答えたとき、正しく読めた数をまとめたものです。

ツール(無料版) 頼み方 正しく読めた 読み違えた 書かれていない 議事録の字数
ChatGPT 一言で頼む 23 0 1 3,490
ChatGPT 形を決めて頼む 22 0 2 3,823
Gemini 一言で頼む 23 0 1 2,158
Gemini 形を決めて頼む 21 0 3 1,540
Claude 一言で頼む 23 0 1 2,417
Claude 形を決めて頼む 24 0 0 2,173

「書かれていない」としたのは、議事録にその話題が無いか、あっても1つに決められない書き方だった問いです。欠席した人は、そこを文字起こしに戻って読むか、出席した人に聞くことになります。

言い直しや取り消しのような、議事録で間違えやすい所は6本とも正しく残っていました。数量の300個が350個に直った件は、どの議事録も直った後の形で書いています。

納期が11月6日から13日に変わった件も同様でした。「電話しておく」と言った宿題が会議の後半で不要になった件も、宿題として残した議事録はありません。

ただし、これは架空の会議1回を、ツールごとに1回ずつ作らせた結果です。同じツールでも文字起こしの長さや日によって議事録は変わるので、どれが議事録に強いかまでは、この数では言えません。

当方の1回では、3つの無料版とも24問で間違った答えになることはなく、違いは「何を省くか」に出ました。選ぶときは正確さより、数字と期限が残る頼み方のほうが差になります。

どう比べたか|架空の会議1回を3つの無料版で2通りずつ

当方で、従業員30名弱の金属加工の会社を想定し、週次の生産・営業会議の文字起こしを架空で作りました。

社長・営業・製造・品質・総務の5人が、A社の増産・B社のクレーム・測定器の更新・展示会・その他を話す9分の会議です。文字起こしは3,813字で、会社名・人名・品番・金額はすべて架空にしています。

文字起こしには、議事録を作るときに間違えやすい所をわざと仕込んでおきました。

  • 数量と単価の言い直し(300個→350個、1,200円→1,250円)と、納期が途中で覆る(11月6日→13日)
  • 「A社が了承すれば」という条件つきの決定と、見積を取るだけで購入は決めていない話
  • 「電話しておく」と言った宿題が、後半で「もう済ませた」と分かって消える
  • 展示会の申し込みを誰も引き取らず「後で決めよう」で終わる担当未定
  • 「来週の金曜まで」「再来週の頭」のような、日付にしないと使えない期限
  • 音声認識の誤変換を4語(納期が「農機」、発注が「発酵」、公差が「口座」、ロットが「ロッド」)
  • 社員旅行の行き先のような、決まっていない雑談

比べたのは、次の3つのツールの無料版です。2026年10月24日に、どれも新しいチャットで1回ずつ作らせました。作り直しの指示はしていません。

  • ChatGPT … 無料のアカウント・一時チャット(モデル名は画面に出ない)
  • Gemini … 無料のアカウント・自動モード・一時チャット
  • Claude … 無料のアカウント・Sonnet 5.5・シークレットチャット
どう比べたか|架空の会議1回を3つの無料版で2通りずつ

議事録を読んで問いに答える役は、比べる3つに入っていないDeepSeek(当方が下処理に使っているAI)に頼みました。

どの議事録がどのツールのものかは伏せ、答えごとに根拠の文を引用させ、正誤はあらかじめ決めた正解表とプログラムで照らしています。下準備として文字起こしそのものを読ませて、24問すべて正しく答えられることも先に確かめました。

材料にした文字起こし・24の問いと正解・6本の議事録の全文・DeepSeekの答えは、付録にすべて載せています。付録は「AI議事録の比較の記録」です。

同じやり方で翻訳ツールを比べた記事もあります。AI翻訳ツール比較|英語メールの誤訳を見つけるで、訳文だけを別のAIに読ませて27問で確かめました。

漏れたのは何か?|数字と期限、24問の間違いは6本とも0

漏れた8件は、どれも数字か期限でした。決定や担当のような「誰が何をするか」は、6本とも残っています。

次の表は、正しく読めなかった8件について、問いと議事録の書き方を並べたものです。

問い 漏れた議事録 議事録にあった書き方
測定器の前回の見積額(48万円・税抜) 一言で頼んだGemini、形を決めて頼んだChatGPTとGemini 見積を2社から取り直すことは書いてあるが、金額が無い。一言で頼んだGeminiは校正費の8万円だけ残した
不良品のロット番号(2609-14) 形を決めて頼んだChatGPTとGemini ChatGPTは「不良は120本中3本と確定」とあるが番号が無い。Geminiは「代替品3本」とだけあり、不良の本数も番号も無い
見積の取り直しの期限(11月2日) 一言で頼んだChatGPTとClaude 「11月上旬(再来週初め)を目安」「11月第1週の頭」のまま。日付にしていない
不良の本数(3本) 形を決めて頼んだGemini 「代替品3本を今週中に発送」とだけあり、寸法外れが何本かは無い

見積額は、会議の中で「買うかどうかは決めない」と流れた話に出てきた数字です。このように、決定に関係の薄い数字が省かれました。次に見積が届いたとき、前回の額と比べられるのは文字起こしに戻った人だけになってしまいます。

期限の2件は、文字起こしの「再来週の頭」を、議事録が言い直さずにそのまま写したものです。会議に出ていれば分かる言い方でも、欠席した人にはいつのことか分かりません。

形を決めて頼んだGeminiは6本の中でいちばん短く、1,540字でした。漏れは、一言で頼んだときの1件から3件に増えてしまっています。

見積額はどちらの頼み方でも漏れ、形を決めた側ではロット番号と不良の本数も漏れました。今回は、短くなった議事録で数字の漏れが増えました。

漏れたのは何か?|数字と期限、24問の間違いは6本とも0

問いの範囲の外では、文字起こしに無い言葉を足した議事録もありました。一言で頼んだGeminiは「場所:会議室」や訪問の目的としての「謝罪」を足しています。

形を決めて頼んだClaudeは、展示会の担当を「次回会議(10月27日)で必ず決める」と書きました。文字起こしでは「また後で決めよう」となっています。間違いとは数えていませんが、こうした言葉を足すことも起きます。

漏れは、読む側が気づけない種類の欠けです。「書いてない」は読んでも分からないので、確かめるなら問いを先に用意して、議事録に答えがあるかを見る形にします。

文字起こしの誤変換はAIが直すのか?

直すとは限りませんでした。当方が試した4語では、文脈で分かる語は直り、品番に近い語はそのまま残っています。

次の表は、仕込んだ誤変換4語を、6本の議事録がどう扱ったかをまとめたものです。

文字起こしの語(正しい語) 直した そのまま使った その話題を書かなかった
農機(納期) 0本 6本 0本
発酵(発注) 3本(Gemini 2本、一言で頼んだClaude) 1本(一言で頼んだChatGPT。「用語の確認が必要」と注記) 2本
口座(公差) 4本(「公差」か「規格」に) 0本 2本
ロッド(ロット) 1本(一言で頼んだChatGPT) 3本 2本

「C社の農機は11月20日で変更なし」という発言は、6本とも「C社向け農機案件」のように、農業の機械の話として書かれてしまいました。納期の話だと読み直した議事録はありません。

一言で頼んだClaudeは、末尾に「『口座』は『公差』、『発酵』は『発注』と判断した」と書き添えてくれました。一言で頼んだChatGPTは「発酵」を直さず、「原音での確認をおすすめします」と注記しています。

誤変換は、それが誤変換だと気づける人にしか見えません。品番・ロット番号・取引先名のような固有の語はAIが文脈で直せないので、議事録を渡す前に人が文字起こしと照らし合わせておきます。

形を決めて頼むと議事録は何が変わるか?

「決定・宿題・持ち越しに分けて、期限は年月日で」と頼むと、期限が日付になりました。一言で頼んだときに日付にならなかった「再来週の頭」も、形を決めて頼むと3本とも11月2日になっています。

ただし、日付への換算はツールによって違いました。「今週中」を、ChatGPTとClaudeは金曜の10月23日に、Geminiは日曜の10月25日にしています。

会議が火曜だったのでどちらも間違いではありませんが、受け取る人によって期限が2日ずれてしまいます。

形を決めて頼んだ議事録には、もう1つ気になる形が出ました。形を決めて頼んだChatGPTは、11月13日の納期を「納期候補」と書き、分納の案を「決定したこと」の表に入れています。

確かめ役が「決定の下に未決が並んで確定に見える」と挙げた議事録は、6本中4本ありました。

形を決めて頼むなら「決まったこと/決まっていないこと/宿題」の3つにし、「決まっていないこと」には「誰が、いつまでに決めるか」を、会議で出たものだけ添えさせます(無ければ「未定」)。未決が決定の下に並ぶのを防ぐためで、この形は当方もこれから試します。

次の表は、一言で頼んだときと形を決めて頼んだときで、同じ文字起こしから何が変わったかをまとめたものです。

「再来週の頭」を日付にした議事録
Before(一言で頼む)

3本中1本
➜
After(形を決めて頼む)

3本中3本
一言で頼むとChatGPTとClaudeが言い方のまま写した
「今週中」の換算
Before(一言で頼む)

日付にしたのはChatGPTだけ
➜
After(形を決めて頼む)

3本とも日付。ただし金曜と日曜に分かれた
会議が火曜なので、どちらも間違いではない
Geminiの字数と漏れ
Before(一言で頼む)

2,158字・漏れ1
➜
After(形を決めて頼む)

1,540字・漏れ3
見積額はどちらでも漏れ、形を決めた側ではロット番号と不良の本数も漏れた

今回使った2通りの指示文は、付録「AI議事録の比較の記録」にそのまま載せています。もし数字の漏れを防ぐなら、「会議で出た数量・金額・品番・ロット番号は省かずに残す」の1行を足してみる手があります。

ただし、この1行を足した形を当方はまだ試していません。数字を残すと議事録が長くなってしまうので、読みやすさを優先するなら、数字だけを末尾の一覧に分けるよう頼む手もあります。

欠席した人に渡す前に確かめる手順

今回は当方が正解を先に決めていたので、AIの答えを正解と比べられました。ふだんの会議には正解表が無いので、文字起こしを正解の代わりにし、議事録を読む役を別のAIに任せてみます。

問いには「決まりましたか」の形を1つ入れておきます。今回の「見積を取るだけで購入は未決」のような話も、決定の表に入っていながらこの問いで「決まっていない」と答えが返れば、議事録の置き場所が悪いと分かります。

  1. 先に、漏れると困る点を3〜5個の問いにする
    決定・担当・期限・金額・品番のうち、次の行動に要るものを問いにします。議事録を読む前に決めておくと、議事録の書き方に引きずられません。
  2. 文字起こしを貼って、形を決めて議事録を作らせる
    指示文は付録に載せています。作り直しは頼まず、1回の結果を見ます。
  3. 作ったのとは別のAIに、議事録だけを読ませて問いに答えさせる
    文字起こしは渡しません。答えごとに根拠の文を引用させると、議事録のどこを読んだかが分かります。この指示文も付録に載せています。
  4. 答えと根拠の文を、文字起こしと突き合わせる
    3〜5問の答えを、文字起こしの該当する箇所と照らします。読む役には文字起こしを渡していないので、議事録が違うことを書いていても読む役は気づけません。金額・個数・品番は、AIに数えさせるより検索して照らすほうが毎回同じ結果になります。
  5. 書かれていない所は足し、違う所は直す
    読む役のAIの答えにも誤りはありえます。引用された文が議事録に本当にあるかを見てから、足りない所を人が書き足し、文字起こしと違う所を直します。

会議の文字起こしを無料版に入れてよいか?

当方の文字起こしは架空だったので、そのまま入れました。ただ、実際の会議には社名・人名・金額が入るため、無料版で入力した文がどう扱われるかを先に確かめます。

次の表は、当方が試したときの使い方と、各社が公式に書いている内容をまとめたものです。

ツール(無料版) 当方の使い方 公式の説明(2026年10月時点)
ChatGPT 一時チャット。設定「モデル改善に協力する」をオフ 一時チャットの画面に「安全上の理由から、このチャットのコピーを最長30日間保持する場合があります」と出る
Gemini 一時チャット。アクティビティの保存をオフ 人のレビュアーが入力の一部を読むことがある。一時チャットは改善に使われず、72時間保持される
Claude シークレットチャット。学習に使う設定をオフ シークレットチャットはClaudeの改善に使われない。学習に使うかは設定で切り替えられる

どれも「学習に使われない」条件であって、送信や保存を含めて外に出ないという意味ではありません。取引先名や単価を伏せたいときは、「A社」「単価X」に置き換えてから入れる手もあります。置き換えても、決定・担当・期限の残り方は確かめられます。

社内でAIに入れてよい情報の線引きは、別の記事にまとめています。生成AI利用ルールの作り方|A4 1枚と90日の運用です。

→ くわしくは「図面や顧客リストのAI入力|線引きと二重チェック」で解説しています。

FAQ

ChatGPTで議事録を作るプロンプト(AIへの指示文)はありますか?

「決まったこと・決まっていないこと・宿題に分け、期限は年月日で、数字はそのまま残す」と頼む形が、当方の結果から組んだ指示文です。そのまま貼れる文は、付録「AI議事録の比較の記録」に載せています。一言で頼んでも、当方が試した1回では24問で間違いは出ませんでした。

AIの議事録は無料で作れますか?

はい、当方の3,813字の文字起こしなら、ChatGPT・Gemini・Claudeの無料版がどれも1回で議事録にしてくれました。費用は0円です。ただし録音を文字にする部分は今回比べていないので、文字起こしの道具は別に用意する必要があります。

要約に強いAIはどれですか?

当方が試した1回では、3つとも24問で間違いは0でした。差が出たのは「何を省くか」です。24問すべて残ったのは形を決めて頼んだClaude、いちばん漏れたのは形を決めて頼んだGemini(3問)でした。1回ずつの結果なので、これだけで優劣を決めるには足りません。

まとめ

  • ChatGPT・Gemini・Claudeの無料版に架空の会議の文字起こしから議事録を作らせると、24問中21〜24問を正しく残し、違う答えになる議事録は無かった
  • 漏れたのは数字と期限で、測定器の前回の見積額が3本、ロット番号が2本、「再来週の頭」を日付にしなかったものが2本、不良の本数が1本
  • 「決定・宿題・持ち越しに分けて期限は年月日で」と頼むと期限が日付になる。ただしGeminiは短くなって数字が3つ漏れた
  • 誤変換は文脈で分かる語しか直らず、「農機(納期)」は6本とも農業の機械として書かれた。品番やロット番号は人が文字起こしと照らす
  • 渡す前の確かめ方は、問いを先に3〜5個決め、作ったのとは別のAIに議事録だけを読ませて答えさせ、答えを文字起こしと照らして、書かれていない所は足し、違う所は直す

次の一歩次の会議の文字起こしで、決定・宿題・期限を3つの問いにし、AIが作った議事録を別のAIに読ませて、文字起こしと食い違わないかを見る

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大平

執筆・監修

大平 — ジッソウLAB代表

中小企業の業務改善・メルカリ物販、中古PC販売の実務経験を活かし、現場目線でAI活用を検証・発信

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