バーコード検品で、誤出荷をほぼゼロに

バーコード検品で、誤出荷をほぼゼロに AI活用のヒント
結論

誤出荷は「目視の照合」をやめた時点から減る

結論:出荷検品のミスは、ピッキングリストや出荷指示書を目視で確認してきたことが主な原因です。商品のバーコードをハンディターミナル(業務用の読み取り端末)でスキャンして指示データと照合すると、その場でOK/NG判定ができ、取り違えを工程の手前で止められます。

当方が支援した輸入雑貨の卸売(EC販売)の現場では、3日に1件(月30営業日で換算すると月10件)だった誤出荷が、導入後はほとんど発生しない状態になりました。

自社でやるなら: 端末は1台15万〜30万円、システムは扱う工程の範囲で20万〜300万円が当方の導入事例での目安です。最初の一歩は、出荷点数が多い1商品カテゴリだけを対象に、ピッキング時のバーコードスキャンを1台の端末で1週間試すことです。

なぜ紙の指示書と目視では誤出荷が止まらないのか

目視の照合は、集中していれば正しく読めます。だからといって、繁忙期に1日数百件を同じ精度で読み続けられる人はいません。似た型番、色違い、サイズ違いが並ぶEC倉庫では、文字の一部が同じであるほど見間違いが起きます。

出荷検品のミスはピッキングリストや出荷指示書を目視で確認してきたことが主な原因であり、ハンディターミナルによるバーコード検品は照合精度を飛躍的に向上させる。

出典: キーエンス(ハンディターミナル 物流業界の活用例) https://www.keyence.co.jp/ss/products/autoid/handheld-terminals/example/logistics.jsp

もう一つの弱点は、ミスに気づく場所です。紙と目視の運用では、間違いが見つかるのは出荷前の最終確認か、最悪の場合はお客様からの連絡です。前の工程で起きた取り違えを、後ろの工程の人が探すことになります。

目視のミスは「気をつける」では減りません。人の注意力に頼った手順が残っているかどうかを、まず疑ってください。

バーコード検品に変えると、現場の何が変わるか

紙と目視の運用と、バーコードスキャンの運用で何が入れ替わるかを比べます。特に見てほしいのは「ミスに気づく場所」と「検品のタイミング」の2行です。ほかの行は、この2つが変わった結果として付いてきます。

照合の方法
Before(導入前:紙と目視)

指示書の文字を人の目で読み合わせる
After(導入後:バーコード検品)

商品のバーコードをスキャンして指示データと照合
ミスに気づく場所
Before(導入前:紙と目視)

出荷前の最終確認、または出荷後
After(導入後:バーコード検品)

スキャンしたその場でOK/NG判定
検品のタイミング
Before(導入前:紙と目視)

ピッキング後に別工程で実施
After(導入後:バーコード検品)

ピッキングと同時に実施できる
在庫データ
Before(導入前:紙と目視)

作業後にまとめて入力・集計
After(導入後:バーコード検品)

スキャンした瞬間に更新(無線LAN・LTE搭載機)
誤出荷の件数
Before(導入前:紙と目視)

3日に1件(月10件換算)
After(導入後:バーコード検品)

ほとんど発生しない状態

件数の行は、当方が支援した輸入雑貨の卸売(EC販売)の現場での実測です。元の数字は「3日に1件」で、月10件はEC販売のため30営業日として単純に換算した値です。

この2行が意味するのは、作業が速くなることではありません。間違いが見つかる場所が、工程の後ろから手前に移るということです。棚の前で止まれば、探す作業も詰め直しも謝罪も発生しません。

ピッキングと同時に検品が終わる

ハンディターミナルを使うと、ピッキングのときに商品のバーコードをスキャンしてピッキングリストと照合できます。その場でOK/NGが出るため、従来は出荷前の最終確認として別に必要だった作業を、ピッキングと同時に済ませられます。

棚の前で違う商品を取ったことが分かれば、その棚でやり直せます。梱包台まで運んでから戻る往復がなくなる分、1件あたりの手戻りが減ります。

バーコード検品に変えると、現場の何が変わるか

在庫のズレとトレーサビリティ

無線LAN(Wi-Fi)やLTE通信の機能を持つハンディターミナルなら、現場でスキャンした瞬間に在庫データが更新されます。実在庫と帳簿上の在庫のズレ(棚卸差異)が小さくなるため、在庫表を見て出品や仕入れを判断している担当者の手戻りも減ります。

もう一つの効果は記録です。バーコード検品では、誰が・いつ・どの商品を検品したかのログが正確に残ります。「届いた商品が違う」と連絡が来たとき、どの出荷でどう処理されたかを追える(トレーサビリティ=あとから追跡できること)ため、原因を推測で決めずに済みます。

当方の実務では、この記録が効くのは検品だけではありません。出荷指示の数量に対してスキャン数を消し込み、予定数に達しないと完了できない仕組みにすると、欠品や過剰出荷も同じ画面で止まります。棚コードと商品コードを照合して棚入れ間違いを防ぐ運用、製造指示書と原材料を照合する運用にも、同じ考え方が使われています。

スキャンは検品のためだけの動作ではありません。在庫の更新と、後から追える記録を同時に作っています。

現場が最初に感じる負担も先に知っておく

良くなることだけを伝えると、導入後に「話が違う」となります。当方の実務で最初に出る声は、読み取り作業そのものが増えるという負担です。

それまで「取って置く」だけだった動作に、端末を持つ・狙う・トリガーを押す・結果を確認する、が加わります。読み取りが不安定だと角度や距離を変えて何度も読み直すため、かえって遅くなります。原因の多くはラベル側です。かすれ、汚れ、退色、結露、光沢フィルムの反射、曲面への貼付、照明、読取距離で読み取り率が下がるため、端末だけを高性能なものに替えても解決しないことがあります。

対処は導入初期のラベル点検で足ります。印字のかすれと貼付位置を1週間見て、読み取りにくいラベルの位置や材質を直し、読取窓とラベルプリンターのヘッドの清掃を日次の作業に入れる。この3つで読み直しはほぼ収まります(後述のステップ6)。

もう一つ増えるのが例外処理です。ラベルが剥がれた、コードが読めない、同じ商品を複数回読む必要がある、返品や再作業で読み直す。この4つの手順を決めていないと、現場は手入力と管理者の解除操作に頼るようになります。そうなるとログの信頼性が落ちるので、例外の手順は最初の手順書に必ず入れてください。

→ くわしくは「生産進捗の遅れをデータに変える|AI化に効く共有表」で解説しています。

2度鳴き・鳴き漏れは3段階の仕組みで防げる

バーコードスキャンを入れるだけでは数量のミスが残る、という指摘があります。原因として挙げられるのが「2度鳴き」と「鳴き漏れ」です。

  • 2度鳴き:同じ商品を続けて2回スキャンしてしまい、実際より多い数量が登録される。
  • 鳴き漏れ:読み取り音は鳴ったのに、通信の切断やアプリの停止で業務システム側に登録されていない。

どちらも人の注意力の問題に見えますが、実際には設定と画面設計でほぼ防げます。ただし対処は別々です。「3段階」は2度鳴きの対策で、鳴き漏れは画面の作りで止めます。まず2度鳴きから、当方の実務で入れている順番を書きます。

2度鳴きを止める3段階

  1. 同一コードの連続読取を一定時間無効にする
    同じバーコードを読んだ直後の数秒間は、同じコードを受け付けない設定にします。トリガーを長く押した、手が滑って2回押した、という操作をそもそも登録させません。
  2. アプリ側で直前データとの重複を判定する
    直前に読んだデータと突き合わせ、「同一作業指示・同一コード・2秒以内」のような条件に当てはまれば警告を出して登録しません。判定に使う項目(作業指示番号、作業者、読取時刻など)をどこまで組み合わせるかは、導入時に現場に合わせて決めます。
  3. 個体識別コードを使う
    商品コードだけでは、同じ商品10個はすべて同じ値になります。二度読みを確実に区別したいなら、シリアル番号・荷姿番号・ケースID・パレットID・作業単位IDをコード化し、登録済みの個体IDは2回目を拒否します。

1と2で足りる現場が多いので、3の個体識別コードから始めないでください。ラベルの設計変更が必要になり、負担が先に来ます。

鳴き漏れは「音」ではなく「画面の数字」で確認する

読み取り音は「バーコードを読めた」ことを示すだけで、業務システムに登録されたことを示すものではありません。通信が切れていたり、アプリが止まっていたり、画面の入力先がずれていたり、サーバーがエラーを返していると、音は鳴っていても数は増えていません。

そのため、確認する場所を耳から目に移します。1個スキャンするごとに画面の残数(あと何個か)が減るのを見る、予定数に達するまで完了ボタンを押せないようにする。この2点をルールにすると、鳴き漏れは次のスキャンの時点で気づけます。

「鳴ったから登録された」と思い込ませない画面にすることが、鳴き漏れ対策の中身です。作業者の注意力を上げる話ではありません。

バーコード検品でも残る7つのミス

2度鳴きと鳴き漏れを仕組みで抑えても、誤出荷が完全な0件にはなりません。当方の支援先で「ほとんど発生しない状態」と書いて「0件」と書かないのは、バーコード検品が消すのは「取り違え」であって、誤出荷のすべてではないためです。

まず、バーコード検品で特に減らせるのは次の5つです。品番違い、色違い、サイズ違い、類似商品の取り違え、そして必要数を1個ずつスキャンする場合の数量違いです。似た商品が多いEC倉庫では、この5つが誤出荷の大半を占めます。

一方で、当方の支援先で実際に発生が残ったのは次の7つでした。

  1. 商品に誤ったバーコードが貼られている
  2. 数量をスキャンせずテンキーで入力する
  3. 検品後に別の商品が混入する
  4. 正しい商品を別のお客様の箱に入れる
  5. 送り状を別の箱に貼る
  6. 出荷指示データ自体が間違っている
  7. 作業者がスキャンを省略する
バーコード検品でも残る7つのミス

残るミスの多くは、検品そのものではなく前後の工程で起きています。この7つが起きているのは、ラベルを貼る工程、箱詰めの工程、送り状の工程、元データ、そして運用ルールです。スキャンの精度をいくら上げても、ここには届きません。

だからこそ、誤出荷対策としてはダブルチェック(Wチェック)が併用されます。ピッキングした人と出荷前に確認する人を分け、検品・梱包の後にロット番号や数量を再確認する手法です。バーコードで型番の取り違えを止め、人の再確認で箱詰めと送り状の取り違えを止める、という役割分担で考えると設計しやすくなります。

残る7つのうち5つ(1・3・4・5・6)は検品より前か後の工程で起きます。誤出荷が続くとき、検品のやり方ではなくラベル貼付か箱詰めを疑ってください。

費用は「端末」と「どの工程まで扱うか」の2つで決まる

以下は当方(ジッソウLAB)の自社導入事例にもとづく初期費用です。端末(ハード)とシステムは分けて見てください。合算して「ハンディ1台で100万円」と受け取ると、判断を誤ります。

端末1台あたりの費用

端末代は、1日のうちどれだけ持ち続けるかで変わります。本体と付属品を込みにした金額です。

使い方 端末1台あたり(本体・付属品込み)
出荷検品だけ 15万〜20万円
入荷から棚卸まで終日使用 20万〜30万円

終日使う場合に高くなるのは、バッテリーの持ちや予備バッテリー、充電器などの付属品まで揃えることになるためです。出荷検品の時間だけ使うなら下の帯で足ります。

工程別のシステム費用(A・B・C)

システム側の費用は、台数ではなくどの工程まで扱うかで決まります。当方の初期費用と、比較のための他社相場の概算を並べます。構成や要件で動くため、必ず幅で見てください。

区分 当方の初期費用 他社相場 何をする範囲か
A. 出荷検品だけ 20万〜50万円 50万〜100万円 商品マスター取込+出荷指示取込+商品・数量照合+検品完了実績出力
B. ピッキング+出荷検品 40万〜80万円 80万〜250万円 出荷指示+ロケーション案内+ピッキング消し込み+出荷検品+完了実績
C. 入荷から出荷・棚卸まで 80万〜300万円 150万〜800万円 入荷予定+入荷検品+棚入れ+在庫移動+ピッキング+出荷検品+棚卸

Aは小規模ECで出荷検品だけを行う形です。在庫数はECカートや販売管理システムが持ち、ハンディでは「注文商品と実物が合っているか」の照合に絞ります。Bは成長中のECで、SKU(商品の管理単位)×倉庫×棚の実在庫を持ち、棚のどこにあるかを案内しながらピッキングを消し込みます。Cは中規模ECで、API(他社のシステムとデータをやり取りするための正式な窓口)を使い、入荷から棚卸まで在庫をリアルタイムに連携させる形です。

A・B・Cのどれが自社か

見積もりを取る前に、自社がどの区分かを決めておくと比較できる見積が返ってきます。範囲を決めずに問い合わせると、各社が違う範囲で出してきて比べられません。

区分 主な目的 向く現場
A 誤出荷防止 在庫精度より誤出荷防止が主目的/月間数百〜数千件/倉庫が1拠点/既存システム側の在庫を正本にしたい
B 在庫精度と倉庫作業全体の改善 複数ロケーション/フリーアドレス保管/在庫移動が頻繁/棚卸差異を減らしたい/欠品や在庫探索が多い
C 複数モール・複数拠点の在庫を即時同期 入荷時点から在庫を登録したい/棚入れ間違いや探索時間がある/帳簿在庫と実在庫に差が出る/棚卸を紙やExcelでしている/月間数千件以上/返品や在庫移動の履歴を追いたい/ロット・賞味期限管理が必要

Cの「向く現場」に挙げた条件は、どれか1つ当たれば即Cという意味ではありません。当方が見てきた範囲では、入荷時点の在庫登録と棚卸の2つが同時に課題になっている現場がCに寄ります。食品や化粧品のように先入れ先出しや期限管理が必要な場合も、ロットを持てるCが前提になります。

逆に、誤出荷を止めたいだけならAで足ります。倉庫が1拠点で月間数百〜数千件なら、在庫はECカート側を正本(正しいほうの記録)にして、ハンディは照合専用にするほうが早く動き出します。

なお、Cのように100万円を超える構築を検討する段階なら、IT導入補助金などの活用も選択肢に入ります。ただし申請の手間や年度ごとに変わる要件があるため、1工程1台で試す最初の一歩では前提にしないほうが進みます。

→ くわしくは「AI導入費用は月1万円から|3タイプ別の内訳」で解説しています。

端末はスマートフォンでいいのか、専用機を買うべきか

先に結論を書くと、手順を試すだけならスマートフォンで足り、毎日続けるなら専用機です。

手持ちのスマートフォンで代用したい、という相談は現場でよく出ます。物流や製造の過酷な現場では、専用機であるハンディターミナル(業務用デバイス)が適しているとされています。理由は次の4点です。

  1. 読み取りの速さ:スマートフォンはカメラのピント合わせに時間がかかります。1件ごとに数秒待つと、日に数百件では差が出ます。
  2. 落下時の耐久性:倉庫では落とします。専用機は落下を前提に作られています。
  3. バッテリー:長時間の連続稼働に耐えるかどうかで、途中の充電待ちが発生します。
  4. 手袋をしたままの操作性:冬場や重量物を扱う現場では、手袋を外す前提の端末は運用が止まります。

次の図は、どちらの端末で始めるかを判断する材料を整理したものです。

紙と目視の検品からバーコード運用に切り替えたい
1日の出荷件数と作業環境はどちらに近いですか?
出荷が多く、落下・手袋・長時間稼働がある倉庫

過酷な現場に適する物流現場で毎日連続して使う専用機のハンディターミナル端末1台15万〜30万円。読み取りの速さ・耐久性・バッテリー・手袋操作で有利
件数が少なく、まず照合のやり方を試したい

1工程だけ試験的にスキャンするスマートフォンで検証ピント合わせに時間がかかり、耐久性・バッテリーは専用機に劣る

図:検品端末を専用機とスマートフォンのどちらで始めるかの判断

図の分岐は、出荷件数と作業環境の2点で分かれます。毎日連続して使い、落下や手袋の操作がある倉庫なら専用機が向きます。件数が少なく、まず「スキャンして照合する」という手順そのものを試したい段階なら、スマートフォンで検証してから台数を決めても構いません。

ただしその場合、ピント合わせの待ち時間を作業時間に含めて評価してください。試験のときだけ速くて、本番で遅いという判断ミスが起きます。

検品・梱包をバーコード運用に切り替える手順

運用を成功させるには、ルールの統一が要点になります。「誰が・いつ・何を・どの単位で」スキャンするかを明確にし、手順書やチェックリストを作り、導入初期の1週間程度はダブルチェック体制を敷くとよいとされています。これを現場で回せる形に落とすと、次の順番になります。

スキャンする対象を1工程だけ決める

全工程を一度に置き換えないでください。出荷点数が多い商品カテゴリを1つ選び、ピッキング時のスキャンだけを対象にします。対象が狭いほど、うまくいかない原因を特定できます。

「誰が・いつ・何を・どの単位で」を紙1枚に書く

担当者、スキャンする場面、読み取るラベル(商品本体か外箱か)、数える単位を1枚に書き出します。この紙が手順書になります。口頭で伝えた運用は、人が増えた時点で崩れます。

連続読取の無効化と重複判定を設定する

2度鳴き対策の1段階目と2段階目を、運用を始める前に入れておきます。同一コードの連続読取を一定時間無効にする設定と、アプリ側で直前データとの重複を判定する設定です。ここを後回しにすると、最初の1週間の数量ミスが「作業者のせい」に見えてしまいます。

例外時の手順を決めておく

ラベルが剥がれた、コードが読めない、同じ商品を複数回読む、返品で読み直す。この4つをどう処理するかを先に決めます。決めていないと、現場が手入力と管理者解除に頼り、ログが当てにならなくなります。

導入初期の1週間はダブルチェックを残す

最初の1週間程度は、ピッキングした人と出荷前に確認する人を分けたWチェックを併走させます。スキャン運用が正しいかを人の目で確かめる期間です。ここで見つかる不備は、ほぼ手順書の書き漏れです。

ログを見て手順とラベルを直す

誰が・いつ・どの商品を検品したかのログから、NG判定が多く出る商品や時間帯を洗い出します。読み取りにくいラベルは位置や材質を直し、読取窓の清掃とラベルプリンターのヘッド清掃を日次の作業に入れます。

手順書は導入時に完成させるものではなく、最初の1週間のログとWチェックの結果で書き直すものです。

FAQ

バーコード検品を入れれば誤出荷はゼロになりますか?

A. 完全な0件にはなりませんが、当方が支援した輸入雑貨の卸売(EC販売)では3日に1件だった誤出荷がほとんど発生しない状態になりました。バーコードが消すのは品番違い・色違い・サイズ違い・類似商品の取り違えで、ラベルの貼り間違い、箱詰めの入れ違い、送り状の貼り間違い、出荷指示データ自体の誤りは残ります。取り違えはスキャンで、箱詰めと送り状は出荷前のダブルチェックで止める設計にしてください。

2度鳴きや鳴き漏れで数量がずれませんか?

A. 2度鳴きは設定でほぼ防げます。同一コードの連続読取を一定時間無効にし、アプリ側でバーコード値・作業指示番号・作業者・読取時刻などを組み合わせて重複を判定すると、トリガーの押し間違いは登録されません。鳴き漏れについては、読み取り音ではなく画面の残数を見るルールにし、予定数に達するまで完了できない仕組みにすれば、次のスキャンの時点で気づけます。

検品の工程が増えて、かえって時間がかかりませんか?

A. 工程は増やさず、ピッキングと同時にできます。ハンディターミナルなら、ピッキング時に商品のバーコードをスキャンしてピッキングリストと照合し、その場でOK/NG判定ができるため、従来は出荷前に別で必要だった最終確認をピッキングと同時に実施できます。ただし読み取りが不安定だと何度も読み直して遅くなるので、ラベルの品質と貼付位置は導入初期に必ず点検してください。

手持ちのスマートフォンで代用できますか?

A. 試験には使えますが、物流の現場では専用機のハンディターミナルが適しています。スマートフォンはカメラのピント合わせに時間がかかるほか、落下時の耐久性、バッテリー、手袋をしたままの操作性で専用機に劣ります。まずスマートフォンで照合の手順を試し、続けられると判断した工程から専用機に置き換える進め方なら、無駄な購入を避けられます。

初期費用はいくら見ておけばいいですか?

A. 当方の導入事例では、端末が1台15万〜20万円(出荷検品だけ)、システムは出荷検品だけのAなら20万〜50万円が目安です。ピッキングまで含めるBが40万〜80万円、入荷から棚卸まで広げるCが80万〜300万円と、扱う工程の範囲で大きく動きます。自社がA・B・Cのどこまでスキャンすべきかの切り分けは、ジッソウLABのゲンバAIへ無料でご相談ください。

導入直後に現場が混乱しないか心配です。

A. 導入初期の1週間程度はダブルチェック体制を残すことで抑えられます。ルールを統一し、「誰が・いつ・何を・どの単位で」スキャンするかを手順書とチェックリストに書き、その1週間で出た不備を手順書に反映してください。ラベルが剥がれた場合などの例外手順も先に決めておくと、現場が手入力に逃げるのを防げます。

トラブルが起きたとき、原因は追えますか?

A. 追えます。バーコード検品では、誰が・いつ・どの商品を検品したかのログが正確に残るため、トラブル発生時のトレーサビリティ(あとから追跡できること)が確保されます。お客様から連絡が来たときに推測で謝るのではなく、記録を見て原因の工程を特定できます。

まとめ

  • 原因:誤出荷の主な原因は、指示書を目視で照合してきたことにある。
  • 効果:当方が支援した輸入雑貨の卸売(EC販売)では、3日に1件(月30営業日で換算すると月10件)だった誤出荷がほとんど発生しない状態になった。
  • 数量ミス対策:2度鳴きは「連続読取の無効化」と「重複判定」の2設定でほぼ防げる。個体識別コードは、それでも区別したい場合だけでよい。
  • 残るミス:消えるのは品番・色・サイズの取り違え。ラベルの貼り間違い、箱詰めの入れ違い、送り状の貼り間違い、出荷指示データの誤りは残るので、出荷前のダブルチェックを併用する。
  • 費用:端末は1台15万〜30万円。システムはAが20万〜50万円、Bが40万〜80万円、Cが80万〜300万円で、台数ではなく扱う工程の範囲で決まる(ジッソウLABの自社導入事例)。

次の一歩出荷点数が多い商品カテゴリを1つ選び、ピッキング時のバーコードスキャンを1台の端末で1週間試し、NG判定が出た件数を数えてください。

自社の業務に合わせたAIツールの選定・導入は、ぜひ、ジッソウLABのゲンバAIへ無料でご相談ください。

執筆・監修

大平一輝 — ジッソウLAB代表

中小企業の業務改善・メルカリ物販、中古PC販売の実務経験を活かし、現場目線でAI活用を検証・発信

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